『さっきも言ったでしょ?俺、結さんだけを見てたから。だから告白も‥俊のいる場所でしたんだ。あいつがどんな反応をするのか興味あったから。

確かにあいつは、いつも冷静であんまり他人の事には興味ないって感じじゃん?でも‥いつも一緒にいるやつの事なら、少しは気になるんじゃないかって思って。相手が保育園からの幼馴染ならなお更。怒鳴ることはないと思ってたけど、何かしらの反応があると思ってた。

あれを見て、それでも俊がいいのか?目の前で告白されても何の反応も見せなかった、そんな男なんか‥』

鳴海君は私の肩を掴んで体を思いっきり揺さぶっていた。私は何も言わずに、横を向いて下唇をかみ締めていた。


ピンポン パンポーン

「お昼の時間になりました。今日のお昼の時間は‥」

定刻時間に始まるお昼の放送が流れた。これが流れるときは、いただきますの挨拶が終わって食べ始めていた。

『ごめん‥』

そう言って、私の肩から手を離し背を向けた。

『ううん。私の方こそごめん‥』

『都合のいい話だって事は分かってるんだけど‥これからも「友達」でいてくれないかな?隣の席の男の子でもいいんだけど‥』

鳴海君は上を向いて右手を私の方に向かって差し出した。

『もし良いなら‥この手を‥』
『友達だよ。これからもよろしくね!』

鳴海君の手を掴むと、私の方を向いて微笑んでくれた。

『仕方ない!!これからは恋愛の相談相手になるか』

『へっ?』

『結さんの気持ち知ってるのって、男子は俺だけっしょ?』

『‥うん』

俯き加減で答えた。

『好きな人が好きな人と付き合えるように協力する。だから、何かあったら何でも良いから相談して。俺もできる限りの事はするから』

『えっ?あっ、う、うん‥?』

『何だよそれ!返事は1回!!』

『はい‥?』

『よろしい。じゃあ、教室に戻って怒られますか』

『‥はい』


その後教室に戻ると、先生から1時間以上の説教を受けた。給食の時間を挟んでいたため、大好きなプリンも食べられなかった。それから‥2人で遅れてきたことで、妙な噂が広まっていった。

私と鳴海君が付き合っている‥という噂が。