その後もお互いの気が晴れなくて、結局その日は鳴海君と話をしなかった。

掃除をしているとき、班の皆からは「喧嘩するほど仲が良いって言うよね~」とか「2人って実は付き合ってたりして」とか言われてからかわれた。

『そんなことないよ!!』

必死に否定すればするほど、みんなの興味が私たち2人に向いてきた。鳴海君は否定してくれないし、どうしたらいいの?

一人で悩んでいると「バン!!」と、凄い勢いで教室の前の扉が開いた。先生が開けたんだろうと思い扉を見ると、そこに立っていたのは俊チャンだった。

『今は掃除中だ。さっさとやって終わりにしようぜ』

行動には驚いたけど、言い方は普段の俊チャンだった。皆もそれに納得して、その後は私たちの事で絡んでくる人はいなくてホッとした。


バカみたい‥

一瞬、私を助けてくれたんだと思ってしまった。どこまで私って自意識過剰なんだろう。そんな事ないのに‥みんなに優しい人だってことくらい知っているのに‥その優しさは私一人に向けたものだと思ってしまう。

そんな自分に嫌気が差した。
私は何を求めているんだろう。


頭の中がパニックを起していた。誰かに今の思いを言わないと、自分が自分でいられなくなりそうで怖かった。

華代‥

掃除が終わった後、華代に話があると言って教室に残っていてもらった。