『ちょっと待て!みんな、俺の存在を完璧忘れてない?』

私たち4人は、一斉に男の子が立っている方を振り向いた。男の子は少し涙目になっていた。

『あぁ、ごめんごめん!』
『寂しかったのか?ごめんな』

俊チャンも和樹君も、悪ぶれた様子はなく言葉にも感情がこもっていなかった。

『当たり前だろ!ってか、2人を紹介してくれよ。クラスメイト‥だよな?』

そう言って、私と華代を交互に指差した。

『あれ?自己紹介とかしてなかったっけ?じゃあ、ここは学級長の俊からってことで(笑)』

和樹君はニヤニヤしながら俊チャンを見ていた。

『俺が??
そうやって面倒くさいことはすぐ俺に任せる‥』

俊チャンは一度大きなため息をついてから私たちを交互に見つめた。


『じゃあ、まず‥
和樹の横にいるのが、大原華代さん。俺らのクラスの副学級長をやっていて、見て分かるように和樹の彼女。手出すなよ?まっ、殺される覚悟があるなら別だけど』

『そんなことしねぇよ!』

そう言って、俊チャンの背中を思いっきり叩いた。

『痛ってぇ!!』

俊チャンの叫び声を無視して華代の前まで歩み寄り、止まった。

『鳴海悠です。よろしく』

『大原華代です。よろしくね』

華代は少しお辞儀をして微笑んだ。


『大丈夫?』

俊チャンの心配をしていると、和樹君が私の紹介を始めた。