『じゃあ、松浦と大原は前に来て一言!』

『え~面倒くさい‥』

『そんな事言わずに。クラスの代表だぞ?』

『はぁ~‥』

2人はゆっくりと歩き黒板の前に立った。先に俊チャンが簡単な挨拶をした後、華代が続けて簡単な挨拶をした。

『じゃあ、早速打ち合わせとかしたいから、お前等2人は居残りな(笑)』

『『‥‥‥』』

2人にとって苦痛な役割が決定した。


その日の放課後‥
和樹君は、華代に「待ってる」と告げて教室に残っていた。何を企んでるのか、「桜井も俊の為に残ってやれば?」と言われた。けど、教室に残っている女子の目が気になって「華代に、また明日って伝えといて」と伝言を言い残してその場を立ち去った。


『残っていたかったな‥』

教室から離れると、ふと本音が出た。
華代を待っているフリをすれば、いくらでも誤魔化しはきくのに‥私って本当に不器用だなと思った。こんな性格、自分でも嫌だった。積極的で人見知りをしない性格だけど、恋にだけは臆病だった。

今の関係が壊れるくらいなら‥このままでいい。そう思っていた。