「一郷と古谷の関係って、母と子って感じじゃん。

過保護過ぎじゃね、実際のとこ」



そんなことを美留久に面と向かって言ったのは、小学校からの同級生、水谷進だった。

水谷は聖夜とも仲が良かった。

あの事故以来、聖夜の交友関係は途絶えたに等しかったけれど。

近くで世話をしていた美留久の他にも、聖夜の怪我の具合を心配してくれていた者はいた。

水谷はその中の一人。

彼は何度か病院にも見舞いに訪れていた。


「男として言わせてもらえばだな、一郷のそういう過保護はある意味ウザイ。

古谷だって、もう立派な大人だぜ、自分のことは自分でできる。

自分に降りかかった埃は自分で払える」


水谷の言ってることは尤もだった。