「セイ、あたし達また同じクラスだよ」



病室に入ってきた美留久は、ベットの縁に腰掛けてそう言った。


今日から新学期。

聖夜と美留久は中学二年になったのだ。


だが、聖夜はまだ、ベットから完全に離れることが出来ずにいた。


リハビリの成果で、足は松葉杖をつけばなんとか歩けるようになった。

まだ何箇所かに、骨を固定する為のボルトが残ってはいるが、それも今に身体に馴染むだろう。

指の先は、まだ痺れがあるものの、手の感覚もほぼ元通りになっていた。

時折襲う目眩と頭痛も、その頻度は以前に比べれば格段に少なくなっている。

驚異的な回復だと誰もが思った。

それも全て、毎日のように放課後病室を訪れる美留久がいるからこそだと、病院のみなが感じていた。



だが、聖夜はベットを離れようとはしなかった。