兄ちゃんが調子を崩す調子は、飛行機が墜落するみたいだった。


俺と兄ちゃんは、親父のもつ家の離れで二人して住んでた。4LDKに二人暮しって、ちょっと広すぎる気もするけど。

俺は大学生で
来年に就職を控えてた。


兄ちゃんは、
親父のやってる
小さな会社を
大きくするんだって
頑張ってた。
よくあんな我儘なのと一緒に仕事するよな
あんなに叱られてばっかで、よく耐えられるな
と思って見てはいたけど。。

俺は不器用で生真面目な
兄ちゃんと違って
器用で奔放。

俺たちは、時間が合うとダイニングかどちらかの部屋でたわいなく話すことが多かった。

母さんが死んじゃってからかな、いやもっと前からかな?
兄弟で、話すのが家族の会話みたいな感じだった。


兄ちゃんの調子が、おかしくなり始めたのは確か二年前の夏ごろだった。