駅前のバス停からバスに乗り込み15分ほど揺られると


小さな山の高台にある墓地に着く。


緑豊かな木々に囲まれて芝生の上に立てられた真っ白な石碑の数々


その一つに聡志はゆっくりと近づいてそっと百合の花束を置いた


「父さん、母さん、遅くなってごめんね」


そこには聡志の両親が眠っているのだ。


5年前、聡志が15歳の頃交通事故で亡くなってしまった


聡志は6歳年の離れた姉と二人残されてしまったのである。


「姉ちゃん、もうすぐ結婚するんだってよ…優しそうな人だよ、かっこよくて…」


墓石に刻まれた両親の名前を見つめながら少し微笑んだ