「…ごめんね。無理なんだ…。」
あたしは断る。
今の颯くんはあたしの好きな颯くんじゃない。
昔の颯くんは強引じゃなかった。
誰よりも人の事を考えれていた。
遠慮がちで自分より他人優先。
人の気持ちを良く考えて必ず困らせない人だった。
昔の颯くんが大好きでたまらなくて今もこうしてベビィディオルの香水をつけてる。
でも再会した颯くんは昔と違った。
「…人は会わないうちに変わるんだ。龍にでも相談して決めたら?」
颯くんは吐き捨てた。
龍…
龍には話かけんなって言われた。
っせぇんだよ。って言われた。
今まで見たことのない龍だった。