綺麗にバレていた、
 菜々には隠し事は
 絶対出来ないや。

 「あのね、
  別れたんだ、蓮と。」

 「……。」

 ああやっぱり、
 言わない方が良かったかな。

 菜々は大きくため息をついた。

 そして私の目を真っ直ぐ見つめて
 真剣な表情をしている。


 「なんで隠そうとしたのよ。」

 「あああ、朝から暗い話とか
  したくない…じゃん?
  後程話そうかと…、」

 「そんなん許さんっ!」

 菜々そう言って
 私のほっぺたをつねった。

 「…ん…ふふっ、」
 「へ?」
 「雅の顔、面白い…あははは。」
 「ひほいよーっ」

 菜々は笑いながら
 私のほっぺたから手を話して
 今度は大きな声で
 笑って、お腹を抱えながら
 私に言った。

 「雅、暗い話でも
  こうやって笑えば
  楽しくなるでしょ?
  何事にも前向きにねっ。」