「――――!」

体がビクッと跳ね、閉じていた目がパッと開いた。


何っ!?え…!?

―――――キス、されてる!?

どうして目を閉じろと言ったのか、ようやくここで気付いた。


「んっ…!!」

体に力が入り、思わず、久世玲人の胸をグッと押し返した。

しかし、ビクともしない。


ななな何でっ!?これは、何っ!?

ココ最近、そしてついさっきも散々キスされたけど、それは頬や目元といった箇所で、……たまに首もあったけど…、でも、でもっ…、唇には一切してこなかったのにっ…

こんな風にキスをされたのは初めてだ…

何でっ…


もう一度グッと押し返すと、久世玲人はキスをやめ、ゆっくりと唇を離した。


「止めないって言っただろ」

「あ、あ、あのっ…」

「今まで、どれだけ我慢してきたと思ってる」

「ああああのっ…でもっ…」

やっぱり、こういうキスっていうのは、そう簡単にしちゃいけない気がっ…ていうか、私はできないっ…

………それに、なにより、勘違いしてしまう――…


真っ赤な顔で「あのっ…あのっ…」と繰り返していると、久世玲人は「……黙ってろ」と再び私の唇を塞いだ。



「んっ…!!」


再開されたキスに、思考も抵抗する力もストップする。


優しく啄ばむようなキスを繰り返され、ぺロリと下唇を舐められた。


また、ビクンと体が跳ねる。

ぞわぞわと胸が震え、体が痺れる。

何も、考えられない。力が、入らない。


ぼぉっとしたままふにゃふにゃになっていると、突然、久世玲人は私を横抱きに抱え、スクッと立ち上がった。