優しく触れてくるキスは、時折、くすぐったくて…。

思わず、ふふ、と小さく笑ってしまうと、久世玲人はキスをやめ、私の顔を覗き込んだ。


「菜都、……抵抗してくんねえと、マジで止められない」


抵抗?

少しだけ違和感があるその言葉に、キョトンとしながら久世玲人を見つめ返した。

抵抗するほど、私はイヤだと感じていないから。

どうしてだろう…。


黙ったまま見つめていると、久世玲人は余裕のない表情をしながら、ぽすっと私の体をソファに押し倒した。


「いいなら、もう止めねえから」

まるで何かのスイッチが入ってしまったかのように、キッパリ言い切り、私が逃げないよう覆い被さってくる。


えっと、えっと…。これって、この状況って…。


頭の中で危険信号が鳴っているのは分かっているけど、抵抗しようという気が起こらない。


なんでだろう…。

どうしてだろう……。


相変わらず無抵抗な私を久世玲人も探るように見つめていたけど、それも一瞬のことで、すぐに首もとに顔を埋めてきた。

ぺロリ、と首筋を舐められる。

その舌の感触に思わず「…ひゃっ」と小さく声を上げると、久世玲人がフッと笑った気配がした。