こうして、久世玲人は2週間の自宅謹慎となり、家で大人しく反省中。

……まぁ、全く反省などしていないのが容易に想像つく。

本人はこの停学処分について、何も気にした様子はなく、いたってフツー。平然としていた。

平和主義の私からすれば、停学処分なんて大変な罰なのに。

心配してちょっと涙ぐんでしまった私がバカみたいじゃん。はぁ…。


久世玲人のいない学校生活が数日経過したけど、それはそれは平穏で、快適だ。
何せ、あの変な症状が起こらないから。


でも、ただ1つ、……いや、2つ気になるのが…。


「原田さん、一緒に帰らない?」

「あぅ…えっと…」

「なっちゃん、さっさと帰る準備しろよ」

「うぅ…」


佐山君と、泰造&陽だ。

放課後になると、佐山君から「一緒に帰ろう」と誘われ、それを泰造や陽が阻む。


……ちょっと、やめてほしい。さすがに毎日この光景が繰り広げられると、クラスの皆からも注目される。


正直、1人で帰りたい…。


そう心の中で切に願っているけど、久世玲人は律儀にも、私の送り迎えを泰造や陽に命じていたのだ。

ちなみに、健司も久世玲人と同じく停学中だそうだ。