「でもっ、日頃の行いが悪いからって、2週間も停学なんて納得できないよっ!」

何か他に理由があるはず…

もう一度久世玲人に詰め寄ると、困ったような表情で返される。


「まー…あれだ。そろそろ反省しとけってことだろ」

「誤魔化さないでよっ」


すかさず言い返すと、久世玲人はますます困った顔で苦笑し、そして、小さくため息を吐いて観念したかのように呟いた。


「昨日の夜、街で絡んできた奴を返り討ちにしてたら、偶然、教頭に目撃されたってわけ」

「……絡まれて…返り討ち…?」

「ああ」


何それ…。それで、見つかって、停学…?


平然と言ってのける久世玲人に、もう一度、ポカリと胸を叩いた。


「何やってんのっ……もうっ!!」

「ま、運が悪かっただけだろ」

「そういう問題じゃないよっ!!2週間も停学なんだよっ!?」

「大丈夫だ、慣れてるから」

「慣れないでよっ!!」


珍しく怒って声を上げるけど、久世玲人はそんな私の様子がおもしろいのか、全く反省の色なしで楽しそうに笑っている。