「で、それを踏まえたうえで、どうすんの?」

「うぅー…」

どうすんのって言われても…。

そんなことを聞かされたあとで、まともに考えらんないよ…。頭が沸騰しそうだもん…。



相変わらず泰造はニタニタといやな笑みを浮かべたまま。この状況を楽しんでるとしか思えない…。


「どっちの男を選ぶ?あの爽やか君と、玲人と」

「どっちって…」

そんな選択を迫られても、私には今のこの状況をどうにかしようという知恵も度胸もない。

無論、佐山君の告白を受け入れるという、そんな器用なこともできない。第一、自分はそれを望んでいるのかどうかも分からない状態だ。


ぐっと言葉に詰まっている私を、泰造はあのいやな笑みのまま答えを求めていたけど、ふと、私の後ろに視線を向けた。



「……あーあ、タイムオーバー」

「…え?」

後ろを見ながらつまらなそうに呟いた泰造につられて、私も後ろに振り向くと、そこにはやや不機嫌な顔をした久世玲人がいた。


「ひゃあぁ!!く、久世君っ!!」


突然の登場に、思わず悲鳴まがいの声があがった。

先ほどの泰造の言葉のせいで、私の顔はボボボッ!と瞬時に真っ赤に染まっていく。