「俺が言うのもなんだけど、玲人はお前に惚れ込んでる」

「な、何でよ…!!根拠はっ!?」

「見てりゃ分かるさ」

「見てりゃって…」

なんだ、結局は勘じゃない…。脅かさないでよ…。

思わずジロリと泰造を睨んだ。


「まぁまぁ。そんな恐い顔すんなよ。可愛い顔が台無しだぜ?」

「茶化さないでよ」

「怒るなって。まぁ、でも俺が言ったことは間違いない。玲人、今まで付き合ってきた女を必要以上に近づけさせなかったけど、お前は違う」

「違うって…?」

「常にそばに置いときたいって感じ?」

「なっ!?なにそれ…!!」

常にそばになんていないしっ!!

「可愛くて仕方ねえんだろ。それに玲人、相当我慢してるみてーだしな。普通ならとっくに食われてんぞ」

「食われっ…!?」

「鈍感でお子様な彼女だから、玲人も考慮してんだろ」


とんでもない話を泰造から聞かされ、ふと、屋上での久世玲人の言葉を思い出す。


―――限界来たら、知らねえから


げ、限界って、……こういうことだったのっ!?


ぷしゅーと沸騰しそうなほど真っ赤な顔になっている私を見て、泰造はケラケラと馬鹿にしたような笑いを繰り返していた。