2人で帰れって言われても…。

少し困りながら、隣にいる久世玲人を見上げた。

「あの…、久世君。私もうここでいいから、健司君たちと帰っていいよ」

久世玲人と一緒に帰るより、1人で帰った方が気が楽だし。


「じゃあね」と、別れようと向きを変えたところで、何故か久世玲人も向きを変え私のあとを付いてくる。


「……久世君?」

「送る」

「え!?い、いや…!!いいよ!!」

ウチまで結構距離あるし、久世玲人の家がどこにあるのか知らないけれど、逆方向だったら申し訳ない。

「いいから、行くぞ」

そして、「いいよいいよ!!」と遠慮している私を無視し、久世玲人はスタスタと先を歩いて行った。


……なんかもう反対できる雰囲気でもない。

これ以上言っても、強引な久世玲人には通用しないだろうと、大人しく付いて歩いた。