「でも、なっちゃんへの態度はちょっと違うっていうか…。結構気にしてるし」

そうだろうか。

まぁ、無理やり彼女にしたという背景があるから、久世玲人も多少は気にしてるのかもしれない。

私を「女」として気にしてるのとは絶対違うだろう。


「考えすぎだよ、健司君」

ハハハと乾いた笑いしか出てこない私を、健司は楽しそうに見てくる。


「いや、玲人はなっちゃんのこと相当気に入ってる。オレの勘は当たるんだ」


何を言ってんだこの人は…。

じとーっと怪訝な視線を向けるけど、健司はそれを笑顔でかわしながら「泰造!陽!」と、久世玲人と前を歩いている2人を呼んだ。

「俺たちここで帰るから」

「え?」

「あとは2人で帰りな」

「ええ!?」

そして、健司はいらぬ気を遣いながら、「じゃあね〜」と私と久世玲人を残して、泰造と陽と共に去って行った。