「っ!?
…シリア様?」
シンは戸惑いながら
シリアを抱きしめる
「貴方は…貴方という人は…
馬鹿者!!
私はそんなの…
望んではおらぬ!!」
シリアは涙を流し
シンの胸を叩く
「ですが…」
「ですがではない!!」
シンの言葉を
シリアは遮る
.
「私はお前がいるから…
だからもう一度…
力を取り戻した
お前がいない未来など
ない物と同じだ
共に消えたほうが
幸せなのだ…」
シリアとシンは
何も言わず抱き合った
そしてしばらくすると
シンが顔を上げた
「私の負けだ」
そう言って二人は
手を繋ぎ目を閉じた
.
「お前らなー…
誰が殺すって言った?」
ロードは呆れたように言う
「え…?」
シンは驚いたように
ロードを見上げる
シリアも同様に
「俺はお前達が
死ぬ理由も殺される理由も
ないと思うぞ」
そう言ってロードは
シンに手を差し出す
「こんな世界…
終わらせるぞ」
シンは黙って
ロードの手を掴んだ
新な仲間と
守るべき人の手をひいて
.
♪〜♪〜♪〜
Fry! Fry! Fry!
高く高く飛んで空へ
一歩ずつ踏み出す
僕の勇気は
あと少しの所で
立ち止まってしまう
あなたが近くにいる
気持ちさえ
押さえられないのに
そんな時にその背中を
押してくれたのは君
ありがとうって
あなたに叫ぶ
♪〜♪〜♪〜
.
突然聞こえた歌声に
振り返る
そこには
「やぁ!
はじめましてかな!?」
小麦色の肌に
金髪で短い髪と瞳の少女に
「っおい!コラ
暴れんな」
その少女を抱える
赤い髪と瞳の少年
「誰だてめぇら」
ロードは剣を構える
シンもシリアを
守るように立ち剣を構える
.
「あなた…
東のシュマル王国の歌姫
大地の中立者
大地の歌姫ね…」
シンの後ろにいた
シリアが呟く
「こんなガキが?」
ロードは馬鹿に
したように少女を見る
「な!?
僕はもう14才なんだから
立派なレディだ!!」
少女は頬を膨らませ
ロードを睨む
「14はガキだ
俺はレオナード・ヒリ
18才大人だ
こいつはテル・カイヤ
見ての通りガキだ」
少年はそう言って
少女を指差す
.
「レオ!!!
お前うざい!!
おろせーっ!!」
テルは足をばたつかせる
「暴れんなテル
つー事だ」
レオナードは
ロードに目線を送る
「って!!どーいう事だ
さっぱりだてめぇ!!」
ロードはレオナード
を睨みつける
「あ?
わかんねーだと?
わかれ」
レオナードは
ロードを睨みつける
.
二人が睨み合っている為
話が進まない
「東のシュマル王国
が何故此処に?
あなた達は鎖国
なさっていたでは
ないですか」
シンが話を進める
「僕達はただ平和に
すごしたかった
今鎖国ではなく
共に戦う事が
最善だと判断したんだ
勝手だとは思うけど
僕達も戦うよ」
テルはにこりと笑った
「いいじゃない」
今度は誰だと
言わんばかりに
声の方に顔を向ける
.
「シェラ」
ロードはシェラに
駆け寄る
「話ししてる
場合じゃ無いわよ」
シェラは遠くを指差す
黒い光
まがまがしい殺気
漆黒の姫に騎士
「我が王なり」
騎士は確かに
そう呟いた
.