しばらくして
ガチャ…キィィ…
牢の扉が開いた
軽く眠っていた
あたしは目を覚ます
「仲間だよ」
先程の少年が
眠っている少女を
冷たい牢の床に寝かせた
「この子は……?」
あたしはすやすや
眠る少女を見つめる
.
「テレサ・メイ
最終兵器が君で
この子がピンチ以外の
戦いで使われる兵器」
この子もあたしと
同じ兵器
でもあたしは…
作られた兵器
この子とは
同じであって
違う存在
これがシェラ・フロエバンス
とテレサ・メイとの
出会いだった
.
空が在る限り
星が在る
星が輝く時
空を照らす
星が朽ちる時
空が亡きがらを抱く
互いに紡ぎあう
絶対的な楔
だから出会い
惹かれ合う
星の少女と空の少女
.
「…………」
ロードもニーナも
誰も何も話さない
あたしに何も
言ってくれない
《兵器》
そう言われていた
あの日々に戻ったみたいだ
みんなの視線が痛い
.
誰か何か言ってよ…
話してよ…
ただ一言
ただ一言言ってくれればいい
なんでもいい
なんでも…
あたしという
存在を…
「…認めてほしかった…」
ぽつりと呟く
.
「君を受け入れてくれる
人間なんかいないよ
だって君は人類を脅かす
兵器なんだから」
グレイの言葉が
ナイフのように
胸に刺さる
やっぱり…
誰も受け入れては
くれなかった
みんなそうなんだ
あたしの秘密を知れば
離れていく
.
「ここにあたしの
居場所はないね…」
シェラは差し出された
手に自分の手を重ねる
迷いはあった
それでも…
自分を望んでくれる
必要としてくれる
場所にいたい
それが間違った
道であったとしても
グレイの手をとった
もう引き返せない
.
「行こうか」
あたしは何も
言わずに頷いた
本当はまだ期待してる
誰かがあたしを
呼び止めてくれる
んじゃないか
今からでも遅くないから
誰か呼んでよ
.
誰にも呼び止められる
事もなくあたしは
牢獄へと戻った
なにより辛かった
あの場所にいる事が
でも此処なら
あたしを必要としてくれる
テレサもいるから
一人じゃない
一人じゃない
.