窓の外を見ると、まだ雨は降り続いていた。

もう今日は暇だなと確信する。

ふと、涼さんの事を思い出した。




今頃、何してるんだろう。

彼女と一緒?

電話をしたいけど、彼女と一緒なら悪いよね。



完全に都合のいい女になっている気がする。



「はぁー。」



「どうしたの?ため息ついて。」

「ため息ついてました?じゃー、無意識ですよ。。」

「悩み事?」

「いえいえ、全くないです。」



言えないよ…



「ねぇ、神野さん?」

「はい。」

「野上さんの事どう思う?」




ドキっとした。

たまたまあった目の前のフキンを手に取る。



「…どうって?」



「カッコイイよね。」



まさか、私達の事バレてる?



「う〜ん、はい。」

私は興味がないそぶりをした。








「私ね、好きなんだ、野上さんの事。」





心臓が痛い。

頭の中を、掃除機で吸い取られたかと思う。

空っぽ。


さっきの好きな人の話は野上さんだったんだ。