バイトの帰り、野上さんと一緒に過ごすのが当たり前になっていた。

彼女と半分づつの助手席にも、

気持ち座り慣れて来ていた。

人間って怖い。

慣れって怖い。




いつもの様に、

胸ポケットからタバコを取り出す。

火をつける時による眉間のシワ。

吐いた煙が目に入って、目を細める。

「コンパ行くの?」

目をショボショボしなから野上さんが聞いてきた。

「どうしよう…」

「好きにすればいいよ。俺の事、気にしてるんなら、そんな必要ないよ。」

「うん。」