肩にのった私の頭を何度も撫でる野上さん。

初めて野上さんの体臭を感じた。


男の匂い。




しばらくして、別の夜景スポットに着く。

駐車場に車を泊めて、外に出ようとドアを開けた時だった。



「莉奈。」



初めて名前で呼ばれた。

ビックリして、振り返る。
降りかけた足を、車の中に入れる。

野上さんは、座ったまま。

「野上さん?」

私の呼びかけに、野上さんは答えた。

「こっちおいで。」

そう言って、私を運転席に引き寄せ、抱きしめた。

心臓がドクドクするのが分かる。



野上さん?

私と同じ気持ちですか?

私、あなたが大好きです。