展望台につくと、驚いた。

180度、都会のネオンが描く景色。

遠くには、高速道路のライトが線を引く。

行き交う車は、アリンコみたいに小さくて。

心が吸い込まれるみたいだった。



「すんごい綺麗!」

「本当?感動してもらえて良かったよ。」





神様、勇気下さい。






「野上さんは、よく来るんですか?」

「…ん、今日で三回目ぐらい?かな。」



「…彼女と?」



野上さんは、タバコを吸い始めた。

肺まで入った煙を、ゆっくり吐き出す。



「まぁーね。」







神様は意地悪だ。

聞くんじゃなかった。

真実は知りたいけれど、知ればこんなにも心が痛むんだね。