「好きなのに、辛いって変ですよね。」

「え?」

「最初は良かったんです。好きだから、彼女いてもいいやって。」

「うん。」

「だけど、最近は違うんです。」

「うん。」

「独占したくって…。彼女と別れて欲しくって…。」

「うん。」

「私だけの涼さんでいてほしい。」

「うん。」

「駄目ですかね?私。」

「いや、駄目じゃないよ。当然だと思う。」

「…。」

「だけどなぁ、神野。」

「…はい。」




「終わらせろ。」





涙が頬を伝う。

それは滝の様に、どんどん流れ、

私と涼さんの思い出を消してしまいそうな勢いだった。