「あっ、俺は和紀ね。」


聞き覚えのある名前…

和紀さんは、タバコに火をつけながら話す。


「アリバイ頼まれたんだよ。覚える?」

「アリバイ?」

「そっ。神戸行ったんでしょ?」

「はい…。」



和紀…

神戸…





「あっ、思い出した!」

「分かった?」

あの携帯ごしから漏れた彼女の声。

嫌な光景を思い出した。