言えなかった。

いるって。

言ってはいけない恋。

してはいけない恋。



言えない。







「大丈夫?」

店から出た私は、ふらふらだった。

腰が抜けた様にベンチに座る。

「奈津美…。」

「ん?」




「来るんじゃなかった。」



涙が止まらない。

今まで堪えてた分の涙がどんどん出て来る。

奈津美は私を抱きしめてくれた。


「莉奈はすごいよ。私なら出来ないもん。」

「うん。」

「偉いよ、莉奈。」

「うん。」

泣いてうまく返事が出来ない。