「ごめん。もう大丈夫。」

「ホントに?」

「うん。」




深い深呼吸をする。

彼女の側に行き、話かけた。

「あの〜ピンクベージュの口紅を探してて…」

「はい。では、こちらにお座り下さい。」

「はい。。」




彼女が選んでくる口紅を彼女の手で塗ってもらう。


綺麗な指。

ネイルもかわいい。

私の手入れしてない手とは違う。

あの手で、指で、

涼さんを触れているんだ。
私の知らない涼さんを知っている身体。




「これとかお似合いですよ。」

「そーですか?」

「はい。落ち着いた感じだし、どんな洋服にも合いますよ。」

「はい。」