それから少しだけゲームを楽しんだ後、

遊園地に移動した。

閉館時間が近いからと、一つだけ乗る事にしたのは観覧車だった。


「観覧車に乗ろう。」

そう言ってくれたのは涼さんだった。





隣に座り、手を繋ぐ。

夜の観覧車も、なかなかいいもんだな。

自然と私達はキスをする。

いつもの様に濃厚な大人のキス。

身体の中の空気を、涼さんに吸い取られているみたい。

力が無くなっていくのが分かる。




「涼さん。前から聞きたかったんだけど…」

「何?」

「何で私なの?」

涼さんは、鼻で笑う。

「じゃー、何で俺なの?」

「ずるいよ。先に答えて。」

涼さんは、一瞬、外を見る。

「初めて会った日。」

「バイトの?」

「うん。あの日、莉奈を見て、なんかこう…」

「こう?」

「いいな〜ってな。」

「同じだ。。」

「ん?」

「同じ日に、私も惹かれてた。」

涼さんは、にやけていた。




本当はね、聞きたいんだ。

彼女との事。

聞けば悲しいのは分かってる。

だけど、聞きたい。

今、彼女とはどうなの?

いつ結婚するの?



私はいつか、捨てられるの?



お願い。

私を捨てないで。