ちょっとすねてる顔が、可愛い。

男の人を、可愛いと思うなんて、

思ってもみなかった。




涼さんは、まだメニューを見ている。

「チョコレートパフェも食べたい…」

「え〜ぇ?」

「いいよ。さすがに、なんか恥ずかしいからさ。」

「ほんと、子供みたい。」

「とか言って、莉奈も食べたいっしょ?」

「いや。別にいい。」

真顔で答えると、

涼さんはまたすねた。

呆れた私の顔を見ると、諦めてメニューを片付けた。




しばらくして、

パスタが運ばれて来た。

「カルボナーラのお客様は?」

そう言う店員に私は手をあげて言った。

「はい、私です。」

涼さんは、キョトンとした表情をした。

「後、食後にチョコレートパフェ一つ。涼さんはデザート食べる?」

「あっ、い、いらない。」

びっくりしたのか、涼さんは口を開けたままだった。

私なりのアメとムチ。

涼さんが私の顔を見て、

ニヤニヤしていた。

ほんと、子供。


店員がいなくなると、涼さんは笑顔で言う。



「莉奈、だ〜いすき。」

「はいはい。」


二回目の愛情表現。

冗談ぽいけど、

軽い言い方だけど、

私はすごく嬉しかった。

彼女より私の方が上だと思えるから。

もっと言って。

私を安心させて。