あたし、青山亜希。

教師一年目。新くんと同じ学校、つまりあたしの母校に勤めている。


ちなみに担当は英語です。


「運転どーも」


「はいはい」


車が相乗りなもんで、どちらかが遅くなると、待たないといけない。


今日は、新くんの方が遅かった。


ドアをあけても、静かな家の中。


電気さえもついていない。


「もう、寝ちゃったかなぁ〜」

「そりゃそうやろ。明日早いらしいし」


「あっそうなんだ、なんか食べる?」

「食べる」




リビングは冷房の涼しさがほんの少しだけ残っている。


だいぶん前に二階に上がったんだ……