「私とアダムは初め、さっきのレオさんのように無知で、
楽しく天界で暮らしていました。


しかし私はある日、神に食べるなと言われていたものを食べてしまった。

…それが、さっきレオさんが食べた知恵の実です。」




レオは、イヴの話を少しずつ少しずつ理解しながら聞いていた。

知恵の実を食べていなければ、絶対に無理なことだろう…。




「そして私は、全てのことを知りました。
私とアダムは同じ人間、しかし神とは違うのだと…。


アダムも私と同じように知恵のみを食べ、私と同じように全てのことを知り…

そして私たちは、自然に愛すようになりました。」




イヴの言っていることは全て理解できるはずなのに、
ある言葉だけは全く理解することができなかった。


その言葉とは——…



【愛】