その女子の群れを眺めていると案の定、相沢先輩が出てきた。


周りの子達を笑顔でかわして逃げるようにあたしの腕を掴んで前の空き教室へ引っ張って連れていかれた。




「はぁ…。 相変わらず、すごい人気っぷりだね?」


一息つきながら相沢先輩に言う。


「んー…。 オレ的にはあんまり興味ねぇんだけど…」


と苦笑いの相沢先輩。


そう。


相沢先輩は猫かぶり。


そう考えると人気者もツライな…って思う。




「それでさ…」


今さっきまでの和やかな雰囲気とは打って変わり、真面目な雰囲気になった。


あぁ…伝えるべき時がきたんだなって悟った。


「あたしの返事は決まりました」


相沢先輩は次の言葉を待っているみたいだ。


「あたし…


好きなヒトがいるんです。


たとえ、その想いが報われなくても相沢先輩とは付き合えません」


まっすぐに自分の気持ちをぶつけた。


「分かってたよ。 でも、友達ならいい?」


やっぱり…相沢先輩には敵わないな。


コクンと頷き、あたしと相沢先輩は友達になった。


相沢先輩に勇気をもらったあたしは決めた。