だけどいつまでも曖昧なままでいるワケにはいかない。


もし聞かれたときには…ちゃんと伝えられるようにしておこう。




屋上で暖かな陽射しに包まれながら過ごすようになった昼休み。


いつものようにお弁当を持って屋上へ行こうとすると…


『キャーーー!!!!!!!!!!』


女子達の叫び声(悲鳴?)。


だけどどの女子も朱い頬をしているってことは恐怖ってことではないみたい。


騒がしい前のドアからではなく、静かな後ろのドアから出ていこうとすると…


「雛瑞さん」


声をかけられた。


………。


デジャヴュってヤツ?


前にもこんなこと、あった気がするんだよね…。


テストでも使わない頭をフル回転させて思いだそうとする。




…あ。


そうだ。


相沢先輩に告白された時と被ってるんだ。


クルリと振り返り学校の王子様、いや、相沢先輩の姿を確認しようとする。


すると目に留まった女子の群れ。


普段なら気にしないが一人の人を中心として集まっていて尚且つ、騒がしい。


あの中心にいるんだと理解するのに時間はかからなかった。