「あ、返事はまだいいから…心の準備ができたときに聞きに行くから…だからその時までに返事考えてく「ちょっと待って下さい!!」


王子様が言っている言葉を途中で、しかも大きな声で遮った。


ちょっと驚いている王子様。


「大変失礼なんですが…あたし、あなたの名前知らないんです」


申し訳なさそうな顔をしながら謝罪をする。


内心は『名乗りもせずに告白なんてアリエナイ! 王子様だかなんだか知らないけど調子にのるな!!』なんて毒を吐いていた。




「あ、名前言ってなかったね。 僕の名前は相沢 聖羅(あいざわ
せいら)」


相沢…聖羅。
女の子みたいな名前。


うん、常識はあるのかもね。


ただテンパってて名前言い忘れてたのかも。


なんて納得してると…


「それじゃ、考えといて」


とだけ言い残して相沢先輩は空き教室を急ぎ足で出て行った。




必然的に残されたあたし。


考えといてって…。


ボー然としていると




「へぇ? モテモテじゃん?」


と奥から声が聞こえてきた。


この声…


恐る恐る振り向くと何故ここに?って人物が。