始業式が終わって教室へと向かう時



『なぁ悟?お前…なんか悪いもんでも食ったんか?』


そう肩を叩かれた。


『あ?食ってねーよ』


『ほんまか?朝からニヤニヤしててキモイで』


『キモイとか変とかうるせーよ』


あんな些細な事だったとしても
俺にしたら嬉しいんだよ。


『あんな~悟?俺…悩んでんねん』


『へー…』


『おぃ!聞けや』


『純哉の悩みなんてしょーもないじゃん』


すっかり履き崩した上靴を
ペタペタと音をたてて廊下を歩く。


『今回は違うねん!って毎回違ぇけど』


煩いくらいに耳元で言うから段々とイライラしてくる俺。


『はぁ~なんだよ…』


『あんな…恋の悩みやねん』


恋の悩み…?
純哉がねぇ…
バリバリの関西弁で煩くて
根っからの運動馬鹿でサッカーラブだったのに。