ふと空を見上げたら
真っ直ぐ伸びたヒコウキ雲ふたつ
少し遅れて進むひとつが
兄(きみ)の後姿を追う自分のようで
いつか追い越せるだろうかと
思わず微笑った(わらった)

きみと僕は違う人間
僕には僕の得意がある
何を言い聞かせたって
心のどこかで比べてたんだ

「このままずっと平行線で生きていく」
ふてくされた時もあった
でも進んだずっと先の方で
ふたつはちゃんと交わってた
本当は誰よりも尊敬してたこと
やっと認めることができた

ふたつばかり見つめていた瞳を
ふと全体に向けてみたら
綺麗に輝く夕陽の光が
いろんな雲を照らしてた
それらはどれもとても綺麗で
気づくと二本の真っ直ぐな線も
いつのまにか空に溶けてた

他の雲を突き抜け進む
あのヒコウキ雲もいいけれど
その周りを優しく包み
漂う雲でもいいのだと
虹色空が教えてくれた

毎日同じ空などない
毎日同じ雲などない
僕もずっと進み続ける
そしていつの日か
唯一無二のこの雲(じぶん)で
美しく空を描くんだ




2010.5.17

真っ暗闇の中
今夜は月が出ていない
とても寒い夜なのに
差し出されたその手の平は暖かくて
寒さなんて感じなかった
はじめて知ったその暖かさが
ずっとずっと続くように
もっと寒くなればいいのにとか
考えてたんだ

綺麗に光るその瞳に映ってるのは
いつも僕じゃなくて
悲しさで僕の瞳も光ったのを
君が知ることは無いだろう・・・

あふれる想いは止まらない
諦めたいのに
どんなに願ったって
心と意思は別物だって
思い知るだけなんだ

ずっとずっと一緒にいたい
その笑顔も
その優しさも
一緒に過ごした時間 思い出
すべてが愛おしくて
すべてを失くしたくなくて
すべてがこの胸を締め付けてる

あふれる想いは止められない
どんなに願ったって
叶わないことなんて
とっくに知ってるのに

大好きな君だから
大切な君だから
応援しようと思った
でも
21回目の春
旅先で買った君へのお土産は
恋愛成就 じゃなくて 就職祈願

だって胸が張り裂けそうなんだ
君が幸せならとは思うけど
誰かの隣で最高の笑顔浮かべる君を
そんなふたりの風景を
喜べるほど いい奴じゃない
喜べる程度の愛じゃない

でもさ
よく「忘れられたら楽」だとか
「嫌いになれたら楽」って言葉聞くけど
かけがえのないこの出逢いを
かけがえのない君のことを
無かったことにするくらいなら
嫌な思い出にするくらいなら
「楽」なんていらない
どんなに苦しくても
どんなに辛くても
僕の一生の中に君が在ったことだけは
消したくないんだ

消したくないんだ・・・
僕と君が出逢ったのは
とても寒い白の季節
月がすごく綺麗な夜で
銀に輝く君に恋した

信じることを恐れる君の
苦しみ 悲しみ 共に背負いたい…

「裏切らないから花は好きだ。」と
話す君は寂しそうで
いつの日か幸せにしてみせると
心の中で誓ったんだ

僕は君に花を贈った
真っ赤で綺麗な一輪のバラを

僕と君が笑ったのは
とても暑い黄色の季節
太陽がすごく眩しい日で
金に輝く君に恋した

信じることを決めた僕が
嬉しさ 喜び 分け与えたい…

「人を深く信じてみたい。」と
話す君は切なそうで
いつの日か信じてくれることを
心の中で願ったんだ

僕は君に花を贈った
真っ赤で綺麗な一輪のバラを

バラの花言葉を知っている?
それは君への『清純な愛』





2007.

「夢は何?」
よくある話題
みんな楽しそうに答えてるけど
僕の答えはいつも同じ
「まだはっきりと決めてないんだ…。」


「夢は何?」
よくある話題
みんながすぐに答えられるのは
本気で目指してないからだ
僕はいつも決めつけていた


でもある日
君に出逢った
夢に向かって 突き進む君に
それでやっと気づいたんだ
僕が答えられないわけを


「夢は何?」
よくある話題
逃げてばかりで努力しないから
いつもはっきり言えなかった
もう逃げないって決めたんだ


「僕の夢はね…」
窓の外
今日は雨がひどくて
雷鳴とどろく
怯えてる人もいるだろう
でも僕は平気さ
だって 別に死ぬわけじゃない


家の外
今日も凄まじい光
銃声とどろく
怯えてる人の恐怖は
一体僕らの何倍だろう
だって 死ぬかもしれない

君と僕
一体何が違うのだろう
同じ人間 同じ歳
唯一つ違うのは
生きている場所だけなんだ


限りなく不平等なこの世界に
「人は皆、平等」と
そんな言葉があるけれど
そんなのは紛れも無い嘘だ
でも
「人を皆、平等に」
そんな言葉だったら喜んで受け入れるよ
だってその先に待つもののは
誰もが望む世界かもしれない






2008.8.28
もしも昨日が選べたなら
後悔せずに生きられるかな…

大好きなあの子
苛立ちからつい酷い言葉
言ってしまった
「明日謝ろう」
明日も会えること前提の
勝手な計画

大好きなあの人
勇気が足りなくてつい後送りにしてしまった
「次は絶対伝えよう」
次もまだ一人でいる前提の
勝手な計画

大好きなおばあちゃん
家の近くを通った時
「会うと話長いし、また今度」
今度なんて来なかった…

あの時こうしていたなら
あの時ああしていたなら

いろんな想いは尽きないけれど
あの時こうしなかったのも
あの時ああしなかったのも
ぜんぶその時の自分が決めたこと
ぜんぶその時の気持ちが感じたこと

だから後悔はしない
失敗して成長して
僕らは時を重ねてく
何一つ無駄なことなんて無いんだ
その時々に全力ならば
後悔する必要もない

もしも昨日が選べたなら
「成長」することを失くすだろう
本気で生きることもなくなるな

あの日
引き返して見ることができた
大好きなおばあちゃんの優しい笑顔は
全力でその日を生きてたからこそ

もしも昨日が選べたなら
その「もしも」は必要ないってこと
もうきっとわかってるよね…
「好きな人ができた」
僕に相談してくれた君
「好きな人がいる」
君に言えない僕

ふたりで過ごす時間
倍速で進む時分(とき)は
すぐに僕から君を奪う

別れ際に見た笑顔とか
偶然触れ合った手の感触
思い出しては君を乞う
「すぐ会いたい」と君を乞う

仲間と過ごす時間
まるでスポットライトだな
自然に瞳が君を追う

輝いてる笑顔とか
照れくさそうに話すその仕草
そいつが特別だって印
同時に僕が特別じゃない印

親友になれたこと
嬉しかったよ
仲間から「仲いいね」とか
嬉しかった

でも同時に苦しくて
でも大事に守っていきたい仲で
伝えないと決めた気持ちは
それでも大事に取っておく

どんなに一緒に過ごしても
どんなに優しく接しても
僕に見向きもしない君が好き
そんな一途な君が好き





2010.5.16

息を大きく吐いて 吸い込む
生きるための神聖な儀式
ここではみんなやっている
たった3秒間の出来事


向かい合って瞬き3回
多くの恋人達にある
とてもとても幸せな時間
たった3秒間の出来事


遠くの山で鳥がさえずる
とても美しい自然の森で
平和を願って歌っているんだ
たった3秒間の出来事


この世で初めて声を出した
暖かい腕に抱きしめられ
ふたり 共に涙を流す
たった3秒間の出来事


命の灯 またひとつ
静かに静かに消えていく
誰が気づいているのだろう
たった3秒間の出来事…


人は高すぎる壁に直面すると
越えるのを諦め目を逸らし
違う方向へと歩きだす
横にその壁があることを知りながら

自分がどんなにちっぽけで
自分がどんなに無力なのかを
知ってて「何もできない」と
思考を閉ざし歩くから


人は遠すぎる夢を見ようとすると
いつの間にか忘れ 目の前の
自分の夢へと歩きだす
遠くで誰かが叫ぶのを
聞こえていないはずは無いのに

自分が損をするのは嫌で
面倒臭いことは嫌いで
自分には関係が無いのだと
思考を閉ざし歩くから


でも本当はひとりひとり
ちゃんと考えればわかること
ひとりで生きてきた人間はいない
ちっぽけで無力なこと知ってるから
だからみんなで関わり合って
支え合うことも知っている
だったら 力を出し合えば
無力なんかじゃないってことに
そのことにだって気づけるだろう?

美しかったあの自然も
よく目にしたあの動物も
遠い国のあの子供たちも
人の手によって消えていく…
ほら無力どころか莫大な
力を持ってるじゃないか
人間は

壊すことが出来るなら
守ることだって出来るだろ?
だってこの世には大切だと
思えるものの方が溢れてる

関係ないだなんて言わないで
無理だなんて投げ出さないで
ちゃんと壁の正面に立ち
遠くの声に耳を澄ませる

みんなで力(こころ)を合わせた先には
きっと初めての景色が待っている
世界がひとつになれた瞬間(けしき)が…







2010.5.19

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