人は高すぎる壁に直面すると
越えるのを諦め目を逸らし
違う方向へと歩きだす
横にその壁があることを知りながら

自分がどんなにちっぽけで
自分がどんなに無力なのかを
知ってて「何もできない」と
思考を閉ざし歩くから


人は遠すぎる夢を見ようとすると
いつの間にか忘れ 目の前の
自分の夢へと歩きだす
遠くで誰かが叫ぶのを
聞こえていないはずは無いのに

自分が損をするのは嫌で
面倒臭いことは嫌いで
自分には関係が無いのだと
思考を閉ざし歩くから


でも本当はひとりひとり
ちゃんと考えればわかること
ひとりで生きてきた人間はいない
ちっぽけで無力なこと知ってるから
だからみんなで関わり合って
支え合うことも知っている
だったら 力を出し合えば
無力なんかじゃないってことに
そのことにだって気づけるだろう?

美しかったあの自然も
よく目にしたあの動物も
遠い国のあの子供たちも
人の手によって消えていく…
ほら無力どころか莫大な
力を持ってるじゃないか
人間は

壊すことが出来るなら
守ることだって出来るだろ?
だってこの世には大切だと
思えるものの方が溢れてる

関係ないだなんて言わないで
無理だなんて投げ出さないで
ちゃんと壁の正面に立ち
遠くの声に耳を澄ませる

みんなで力(こころ)を合わせた先には
きっと初めての景色が待っている
世界がひとつになれた瞬間(けしき)が…







2010.5.19