「もしもし?山辺さん?」

返事をしない私を不審に思い、呼びかけてきた。

「…え?あっ、うん!わかった!次の人に回せばいいんだよね?」

平常心を装い、明るい声を出す。

「うん。で、あと今日お葬式やるからー…」

田中さんの、単調な声が耳をすり抜けていく。