「もうすぐで、マコトに会える」




俺は、心にポッカリと穴が開いた気分だった。


もう、何もしたくない…どうでもいい…


《コンコン…》

「はい?」
返事をしたと同時にドアが開く。母が、小さな土鍋とレンゲを乗せたお盆を持って、俺の部屋に入って来た。


カチャカチャ…と軽い音を立てながら歩き進む。


「消化に良いものと思って…お粥作ったから…」


机の上に置くと、お腹すいたら食べなさい…そう言って、部屋から出て行こうとした。


「母さん…」
ベッドの上で、ゴロンと横になりながら俺は、ポツリと呟いた。


「なぁに?」


「身分の違いだけで、付き合えないってのは辛いよな」


「…真琴、好きな子でもいるの?」

「べ…べつに…」


「くす……身分なんて関係ないと思うよ私は…」


そう言って、母は部屋から出て行った…


「身分は、関係ない……か」