リビングには、父とリーバが居た。

「スイメ、ママとメルは?」

「ママ…メルお姉ちゃんと大事なお話するんだって」


父は、そっか…と言って呟くと、珈琲を口にする。


「メルお姉ちゃん…好きな人が居るのに、何でルキトお兄さんと結婚するのかな?」

私は、ポツリと呟いた…。

まだ、難しいことは理解出来ないけれど、好きな人が居ると言うのは、何となく分かった…。


「…メルお姉ちゃん、かわいそうだね」
リーバも、ポツリと呟く。


それを見た父は、
「メルが、此処に帰って来た理由は、家族が大事だから何だよ。この国の跡継ぎもしなくちゃいけないしな…」


そんなの…おかしい…。


「そんなの、おかしいよ!」
私が言うと、リーバも「そうだよ!」と答えた。


「メルお姉ちゃんは、好きな人と一緒にいるべきだよ」


父は、うーんと困ったように顎を触っていた。

「私が、跡継ぎするから!」
「僕も、跡継ぎする!」

私とリーバの答えは同じだった。


「お前達がか?」
父は、ビックリしたように目を見開いている。

私達は、『うん』と頷いた。