｢スイメ、ママね…メルちゃんと大事なお話があるから、リビングへ行ってて…｣


｢はーい｣
スイメは、素直に返事をすると部屋から出て行った…。


母は深呼吸をして、心を落ち着かせてから喋り始めた…。


｢私はね、メルちゃんが決めた選択だから、何も言うつもりは無かったわ…この傷跡を見るまではね…｣


そう言って、私の額に軽く触れる。
｢何で？…そこまでして、此処に帰る理由があったの？｣


｢………リーバとスイメが心配だったから｣
私は重い口を開いて呟いた。


｢それだけ？…他に何か……｣
母の質問を遮るように答えた。


｢私は、此処の国の跡継ぎ…そして、ルキトと結婚する為に帰って来た…それだけよ｣


｢メルちゃん…｣

｢お母様…私に何を望んでいるの？｣
睨み付けるように、母の顔を見た。

｢私は、メルちゃんに幸せになってもらいたいから…｣


私は、その時…何かが、プツンと張り詰めていた糸が切れた…そして、無理やり押し込めてた気持ちを爆発させてしまった…。
｢宇宙人が人間に恋をして…、こんなものが、結ばれると思ってる！？……だから、この気持ちを押し殺すしか無かったのに……お母様が、私の気持ちを揺らしたのよ！｣


初めて、母に叫んだ…
自分の気持ちを素直に吐き出すと、ハァハァ…と肩で息を整えた。