鞄の意味ないやん! 自分につっこみながら自転車を漕ぎ出す。 雨が上がり、少しひんやりとした 空気が気持ち良い。 今日はあっちから帰ろう。 普段使っている大通りを逸れて 脇道に入る。 車の音が段々遠のいていき、 代わりに虫の音が聞こえ始める。 民家は田畑に囲まれ、 ポツリポツリと離れて建っている。 外灯のないたんぼ道の為、 民家から洩れる微かな光と 月明かりを頼りに進んでいく。