ぽかぽかとした陽射しと、 春の陽気が相俟って眠気を誘う。 私、星野柚梨(ほしのゆうり)の 膝の上には、手付かずのままの 弁当箱がちょこんと乗っており、 目の前では、噴水がキラキラと 太陽の光を反射させながら 水しぶきを上げている。 溜息をついて脇に置いていた タンブラーを手に取り、 早く食べ物をくれ!と 言わんばかりに鳴いている胃に、 慰め程度にお茶を流し込む。