私が? 何を? 何もわからないからここにいるのに……。口の中がからからに乾く。

「私は……」

 その時、通学路の方から女の子たちのざわめく声がした。振り返ると見知った影が目に飛び込んできて、心臓が激しく波打つ。

「翔梧だわ……」

 彼女の口から呆れた声が漏れた。