ガラス玉のようなシグレの瞳は紫色に光り、とてつもなく不気味で。

「ちょっと待ってて…。」

何を!?

「……痛く…しないから。」

待って待って待って!!!

生徒会長の返事がまだでしょ!?
ダメだから!!お願いだからダメだから!!


「あー、どうぞ御勝手に。」

ほら、生徒会長もダメだって言っ……え!?

「別に人間の一人や二人、どーでもいいし。」

待て生徒会長!!考え直せ!!お願いだからお願いします!!


心の中では悲鳴をあげてるのに、何故か声にならなくて。

あたしはただひたすら背筋が凍り付くのを感じるだけ。


さっきまで黒い大鎌だったものは、ふしゅりと闇色の煙に変わり、次の瞬間には消えていた。


「「シグレ?手加減しろよー?」」

「……黙れハゲども。」

「「は!?」」


この場不相応な雰囲気を放つあの双子はフサフサだと思うけど、あんなやつらを慰める暇なんてない。


「……あ。目は…閉じないで…」

ゆっくりゆっくり、シグレはあたしの視界へと掌を被せる。


ホントにピンチ。
かなりピンチ。
何が何でもピンチ。