『その日』―――。

　私の部屋で二人で過ごすはずだった。約束をしてから1週間。
　なにかプレゼントを作ろう、とマフラーを大急ぎで編み始めた。バイトをして貯めたお金でごちそうの材料を買った。
　部屋の飾りつけは完璧。ごちそうも並べた。きれいに包んだマフラーも引き出しに入っている。
　後は彼が来るのを待つだけ―――。
　その時、携帯が鳴った。画面には彼の名前ではなく知らない番号。
　誰だろう、と思いながらも電話に出た。
　「もしもし…。スバルの友達のタツヤっていいます。スバルの彼女さんだよね…？」

　この人、泣いてる…？