ポト

「私の気持ち・・・伝わった・・・かなぁ・・・?」

【・・・どうして泣いてるの?】


「・・・!!
 貴方は誰!!?」

【え・・あ・・俺は軌蛇廼 夕弥】

「きたの・・・ゆう・・・や・・・・。」

【あんたは?】


「わたしは穂沙華 禾依樺」

【ほさかかいか・・。あんたも変わった名前だな。】

「そう?」

【あぁ・・。】

「・・・そっか・・・。」

【ところで、禾依樺は何で泣いてたんだ?】

「・・・分からない。」

【分からないのに・・・泣けるのか?】

「それも・・・・・分からない。」

【何だそれ?】

「ただ・・・。」

【ただ?】

「何故か・・溢れてきたの。
暖かいような・・・
生ぬるいような・・・
そんなものがこみ上げてきて、自然と泣いてたの。」

【・・・。】

「・・・。」

【禾依樺は・・いい奴だな。】

「え・・・・?」

【だってそうだろ?】

「・・・そう・・なのかな?」

【そうだよ絶対に。】

「そっか・・・。」

【なぁ・・又明日来ていいか?】

「うん。
でも・・何で?」

【禾依樺がギター持ってるから、なんとなく気になるし・・。
もしかしたら、スッゴク綺麗な声で唄歌うんじゃないかって。】

「そんな事無いよ。」

【それに・・・もっとよく知りたいし。】

「え・・・?!!」

【何か禾依樺といると落ち着くんだ。
嫌な事も忘れられるから。】

「嫌な事から逃げてても何も始まらないよ?
そこから生まれるのは・・・。」