お兄ちゃんが死んで、2年経った今でも私達家族はくもり空。一瞬の温かい光も入らない。

お父さんもお母さんも2年で一気に老けた。

いつも泣き疲れた顔。
私に気遣う様笑顔を向けるけど、それは心から笑ってないいわゆるつくり笑い。

きっと誰もが思っただろう。

どうして兄が死んじゃったの?

私だって思った。お兄ちゃんはこの世で必要な、必要とされてる人間なのに。

お母さんは毎日毎日仏壇の前に座っていた。抜け殻の様に、家事も一切手をつけず風呂も入ろうとしない。
そんなお母さんの姿を見る度に、ものすごく胸が締め付けらる。
不器用ながらもご飯をつくり、掃除をし、私だけは強くなくちゃと妙な使命感に侵された。