「……蒼空?」

拓真の声で現実に戻された。




気を抜きすぎたかな。






「…あ………ごめん。
寝不足で、朝から頭痛かったから。
ちょっと。」


「蒼空…。」

拓真の顔は辛そうに歪む。


「大丈夫…か?」

「何いってんのさ。
頭痛いだけだって。

へんな、拓真。」


ぐらりと揺らいだ瞳を見据えて、微笑む。


きっと拓真は気づいてる。





僕は気付いてないふりをする。